印刷媒体とウェブ / 鴎
さて、ロジスティカ第三のお題は「印刷媒体とウェブ」ということで。

先日図書館から『教科書に載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』を借りて遅ればせながら読ませていただいたのですが、そもそも個人サイトと印刷媒体というのは密接な関係があったそうです。

と、いうのもインターネット最初期、つまり94年や95年に個人サイトをやれたのは、大学生だったそうです。これはまだプロバイダ料などが高く、個人ではネット環境を整備できなかったことが理由に挙げられています。そこで大学の設備を使って個人サイトが営まれていたわけですが、当時はe-zineと呼ばれるミニコミ誌のウェブ版のようなサイトが面白かったらしいのです。

今その直系のDNAを持っているサイトさんは、Weekly Teinou 蜂 Womanさんらしいです。このように、ウェブ最初期は、紙メディアに載っていたものがウェブに入ってくるという時代でした。

そのうち企業や新聞社などがオンラインのマガジンをするようになり、こと「情報」に関しては紙メディアと同等の存在にウェブはなりました。いわば莫大な蔵書を持つ図書館にインターネットはなったわけです。

その後、あやしいわーるどやあめぞう、そして2chが巨大化していく中で、ウェブは掲示板利用者の中ではラジオになっていったと思います。一日中つけっぱで時々投稿するラジオ番組としてのウェブがあったわけです。

そしてmixiやRSSが広がり、ウェブはより大衆的なTVに近くなってきたと思います。何もしなくても大量のコンテンツが作られ、更新情報を巡回しなくても集められ、ただだらーっとながめることで時間をつぶせるメディア、いつでも自分のコンテンツを発信できるメディア。インターネットは個人をメディアとして24時間消費する大きなシステムになりました。そしてハイパーリンク・ディープリンクによって個々のコンテンツはコンテンツ製作者の「名前」から離れ、独立して消費されるようになりました。

そんな状態からのゆり戻しという意味が、ウェブの書籍化にはあると思います。製作者の名前の無いコンテンツとしてしか認識されなかったものが、ひとつにまとめられ、パッケージとして売り出されるというのは、「名前を取り戻す」という行為にも思えます。

もちろん商業的にやっていけるだけの下地ができたこともあるでしょうし、著作権がらみの話もあるでしょうが、インターネットの書籍化に個人サイトの隔世遺伝を見るのも面白いのではないでしょうか。dai
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by text_project | 2006-02-27 14:01 |
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