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トラックバックで繋がるということ / まなめ
人は皆寂しい。だから繋がりを求める。

人が生まれるとき、母親とへその緒で繋がったまま生まれてくる。これを切った瞬間から、寂しさを感じるのではないだろうか。だから、人は繋がりを求めるのだ。家族、地域、学校、会社、部活、サークル、趣味、友達、彼氏・彼女…。繋がりはそこらじゅうに存在する。

携帯電話。今、繋がりアイテムNo.1といったらコレだろう。電話し合ったり、メールしたり、Webを見たり、掲示板に書き込んだり。アドレス帳にお互いの番号を登録しあっただけでも、繋がったと感じる人も多い。そんな現代の人たちは、携帯電話を持っていないだけで不安になったり、圏外になっただけで不安を感じることさえある。

インターネット。携帯電話に勝るとも劣らない繋がりアイテム。私もインターネット接続症候群(仮称)を患っており、ネットに繋がったPCが手元に常にないと不安に感じることがある。ネットに繋げる。ネットの向こう側の人と繋がる。人と繋がる。一人じゃないんだ。おそらく、ひきこもりが部屋で一人でいられるようになったのは、ネットの功績が大きいと思う。


さて、よく分からない前置きを書いたが、収拾がつかなくなったので本題。

「繋がり」と言われて何を思うだろうか。多くの人は「SHINと繋がったままこんな街中歩くなんて頭がフットーしそうだよおっっ(c)げっちゅー!」を思い浮かべたろうか。前述の通り、携帯電話やインターネットを思った人もいるかもしれない。しかし、ここは私がサイト論を愛好する立場として「トラックバック」について書こうと思う。

トラックバックは要するに、記事と記事を繋げるシステムだ。トラックバック以前は、リンク報告をしたり、アクセス解析でリンクされたことに気づいてくれない限り、相手がリンクされたことを知る術がなかった。しかしトラックバック以降は、そのような報告もせずに相手の記事にトラックバックを送ることで相互リンクが完成してしまうのである。

相互リンクからトラックバックになったことで変わったことといえば、サイト全体同士が繋がるのではなく、サイトの一部である記事同士で繋がるようになったことだろう。これによって変わったことをいくつか挙げてみる。

  • 焦点を絞ったことにより、繋がりが強くなった。
  • サイト同士の相互リンクの問題点であった、相互リンク後のジャンル変更やサイト縮小などの変化の問題がなくなった(トラックバックで繋がった記事同士に変化はない)
  • サイト全体、あるいは管理人同士の繋がりを感じることが少なくなった。→その記事のみの繋がりという割り切り。
  • ある記事にアクセスやトラックバックが集中すると、(その繋がりがうれしくて)そのジャンルの記事ばかり書く機会が増え、他ジャンルの記事が書きにくくなり、ブログの分割が発生。→部分の全体化
  • 特定の記事へのトラックバックは、受信したブログ(全体)の読者には見えにくいものである。
  • 特定の記事へのトラックバックは、その記事の内容に興味がある読者にとって同じジャンルの記事を探すためには非常に有用である。

全体から部分へ。例えば、ニュースサイトという立場としては良い部分だけを抽出できる利点があるが、サイト全体としてその流れが好きだったり管理人の考え方が好きだったりすると紹介しにくかったりする。例えば、ブログ管理人としての立場では、他にどんなくだらない記事を垂れ流していても一つ良い記事を書けばそこだけを見て評価してくれる利点もあれば、他にも良い記事があるのにそっちには見向きもしてくれないと不平を言う人もいるだろう。

例えばこの記事は、私が書いている。誰かが関連した記事を書いてトラックバックを送ったら、この記事とその記事は繋がることになる。記事と記事が繋がれば、記事を書いた人と記事を書いた人も繋がる。しかし、私が書いている記事はこの記事だけではない。いくつかの記事があって一つのブログなのだ。決して全体では繋がってはいないのである。なんだか寂しい。

例えばこの記事は、私が書いている。誰かが関連した記事を書いてトラックバックを送ったら、この記事とその記事は繋がることになる。記事と記事が繋がれば、記事を書いた人と記事を書いた人も繋がる。なんて素晴らしいことだろう。たった一部しか関心の交わりがなくても、私たちは繋がることができるのだ。頭がフットーしそうだよおっっ。

トラックバックというシステムにより、記事と記事が、ブログとブログが、そして人と人とが繋がる敷居はかなり低くなったと思っている。今まで勇気がなくて相互リンクをしてくださいと言えなかった人も、トラックバックを送ってみるのはどうだろうか。

私はいつか404 Blog Not Foundというブログにトラックバックを送りたいと思っている。理由は、私のブログと名前が似ているという小さなものである。しかし、なかなか自分が反応できる記事がない。それでも毎日ブログを読んでいる。たった1回でも自分がトラックバックを送れるような記事が書かれたら、それにトラックバックを送ることで繋がることができるのだから。なんだか、校門で憧れの先輩が出てくるのを待っている少女のような気分である。
by text_project | 2006-07-10 00:08 | まなめ
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